意外と身近な小児の心身症
小児心身症という言葉を聴いたことはありますか?
なんだか特別な病気のような名前みたいですが、
子どもは自律神経が未発達なので、お困りごととして比較的身近に見られるものも多いです。
例えば、
◆乳幼児では・・・自律神経失調、夜驚、アトピー、チック、じんましん、喘息、心因性嘔吐、脱毛症など
◆小学生では・・・自律神経失調、反復性腹痛、頭痛、過敏性腸症候群、不登校、めまい、じんましん、喘息、心因性嘔吐、夜尿やおもらしなど
◆中高生では・・・自律神経失調、反復性腹痛、頭痛、過敏性腸症候群、不登校、起立性調節障害、慢性疲労症候群、心因性ジストニア(イップス)、過食や拒食など
といったご相談が当院では多いです。
いかがでしょうか、比較的身近なお困りごともあったのではないでしょうか?
心と体のバランスの乱れによる可能性が高い場合には、心身症として扱われることもあります。
もちろん心身症ではなく、感染などによる腹痛や嘔吐、腫瘍や血管の問題による頭痛など、病院での対応を必要とする可能性もあるので、お子さんに症状があれば、まずは、病院への受診は大切です。
心身症は子どもに出現しやすい
心身症は子どもにも起こります。というよりも、自律神経が成長過程の子どもにこそ、ストレスによる耐性が大人よりも低いため心身症は出現しやすくなります。
そして、大人の心身症は、例えば症状が腹痛ならば腹痛だけに現れやすいのですが、子どもの心身症は、様々な身体症状に移り変わっていくこともよく見られるので、より柔軟な対応が求められます。
鍼灸院での心身症への対応
まずは、体に現れている症状の軽減を目的にアプローチします。
鍼灸などの施術や日常の養生をしていくことで自律神経のバランスが整ってくると、現れている症状は軽減していきます。もちろん病院のお薬との併用も必要な場合は使っていくことが大切です。
しかし、症状の背景に心因的なものや心理的なストレスがある場合は、症状を繰り返したり、別の症状として出現することもあります。
そのようなケースを防ぐためにも、カウンセリングを通して、症状の背景を慎重に観察し、その中で、ストレスの緩和、環境調整や行動調整の検討をしていきます(カウンセリングは国家資格の公認心理師が対応させていただきます)。
そして、小児心身症の場合には、保護者のストレスが、子どもの症状として出現することも少なくないので、必要に応じて保護者へのカウンセリングや親子カウンセリングを施術の合間に実施させていただくこともあります。
心身症とは?
日本心身医学会の定義では「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」となっています。
つまり、心身症とは、心の不調が体の不調とお互いに影響を及ぼしあっていて、明確な身体疾患として症状が現れている状態で、精神疾患ではない。ということです。
例えば、腸の働きが乱れる疾患のひとつに過敏性腸症候群というものがあります。
腸の働きが乱れることは、食べすぎや、食中毒などでも起こることはご存知だと思います。
一方で、過度な緊張が続いた状態、長期間不安を感じている状態、人から嫌がらせを受けている状態など、強いストレスが関連して、腸の働きが乱れることもあります。
心身症は、身体の不調やトラブルが器質的、機能的に出現しますので、病院と関わっていくことは重要です。
しかし、病院(西洋医学)だけでは改善への経過がなかなかうまくいかないことが多いのも心身症の特徴です。
なぜ、西洋医学だけではうまくいかないことが多いのか?
西洋医学では、例えば、外科、内科というように、症状を分けて考えることが一般的です。
それは、もともと「体」と「心」を分けて考える西洋思想から影響を受けているからなのでしょう。
対症療法や治療の効率化としては、分けて考えてそれぞれスペシャリストが分業することは、実際にとても有用なもので、西洋医学ならではの強みだと言えます。
しかし、心身症の改善には、人は「心」と「体」の双方から影響を受けあっているという、全体的な視点による、自律神経をはじめとした心身のバランス調整が重要なのです(東洋医学の心身一如)。そして、体への施術だけではなく、カウンセリングで心の疲れも回復し、自己一致や自己信頼を獲得や再構築していくことも大切なことのひとつです。
この全体的な視点や自律神経の調整は、鍼灸や心理療法が得意とするところです。
心身症的な症状でお悩みで、病院へ行っているけれど改善の手ごたえが無い場合などは、ぜひ当院の鍼灸やカウンセリングを利用してみてください。
疾病利得について
疾病利得とは、症状の背後にある何らかのメリットのことです。
例えば、お腹が痛いことで嫌な授業を受けなくて済む。
朝、体調が悪くなることで行きたくない学校に行かないで済む。
または、体に湿疹が出ることで親の注目を集めることができる。
などといったことも疾病利得に当てはまります。
慢性化した症状、あるいは繰り返す症状の背後には、その疾病に対する利得(メリット)を考えることも大切です。
症状のほとんどは辛く不快なものです。
一刻も早く治したい思いもあることでしょう。
しかし、心身症の多くは、早く治そうと焦れば焦るほど症状は停滞しやすくなるという特徴もあります。
『もしかしたらこの症状にこんなメリットがあるのかもしれない』と、自分の体に興味を持ち、症状の意図に寄り添うことで、心身症の緩和や改善に向けての一歩になることもあるのです。
心気症や神経症とは
心身症と似た言葉に、「心気症」や「神経症」というものもあります。
・心気症(病気不安症)とは、体の機能や器質的には問題はなくても、重篤な病気になっていると不安を強く思い込む精神疾患です。病院の検査で異常が見つからなくても、なかなか不安が晴れないという特徴があります。
・神経症(ノイローゼ)といった用語もあります。しかし現在では、不安障害、パニック障害、恐怖症、強迫性障害、解離性障害、うつ病など、より細分化された名称に変更され、神経症の用語はあまり用いられなくなっています。これらは精神疾患のカテゴリーで、心気症(病気不安症)も神経症の中のひとつです。
心気症や神経症などへのアプローチは心理療法が基本となりますが、不安による体の疲労などに対しては、鍼灸施術も役立つこともあります。
もちろん病院との連携が大切なことは、心身症と同じです。
当院の心身症ケアプログラム
【子どもによくみられる心身症(小児心身症)】
・自律神経の乱れ・夜驚・心因性便秘・反復性腹痛・頭痛・過敏性腸症候群・心因性嘔吐・アトピー・慢性じんましん・チック・喘息・過換気症候群・不登校・起立性調節障害・めまい・夜尿・遺尿・爪かみ・抜毛・円形脱毛症・拒食症や過食症・心因性ジストニア(イップス)など
これらの症状があることで心身症だと言い切れるわけではありませんが、ストレスや心因性など、心と体のバランスの乱れから、何らかの症状が現れるものを心身症ととらえることは多いです。
その場合は、体だけではなく、心理面のケアや日常の養生、環境や行動の調整もより大切になってきます。
当院独自の心身症ケアプログラムでは、国家資格として、鍼灸師、看護師、公認心理師、保育士の多角的な専門性を持って、施術とカウンセリングを融合し、心と体のバランスを整えるように柔軟に対応していきます。
心身症ケアプログラムの詳細
◆1セット(約1か月)の流れ ・1、2,3週目 身体と自律神経を整える『鍼灸整体施術』 |
1か月の流れでは、
基本は週に1回来院 4回の施術と1回のNLPカウンセリングを1セット
※軽度なら2セット(2か月ほど)~中程度6セット(6か月ほど)以上の継続を推奨。
1セット終了ごとに、計画の見直しをしていきます。
心身症などは、まずは体のケア、その後に心のケアが重要です。そして、小児心身症の場合は、保護者のストレスなども子どもの症状と関わってくることがほとんどなので、保護者もカウンセリング等でストレスケアをしていただくことが大切です。
≪1セット(1か月目安)の費用≫
小児だけではなく大人の心身症にも対応しています。
心身症の診断がない方もご利用いただけます。
心身症のケアはお時間がかかることも多いため、
できるだけ費用の負担を少なくご利用いただけるようにしています。
◆大人 心身症 1セット 鍼灸整体施術4回 + 120分カウンセリング1回 |
◆中高生 小児心身症 1セット 施術4回 + 60分カウンセリング1回 |
◆小学生 小児心身症 1セット 施術4回 + 60分カウンセリング1回 |
◆乳幼児 小児心身症 1セット 1か月間施術無制限 + 60分カウンセリング1回 |
※カウンセリング120分の場合はプラス5,000円で変更可能です
心身症ケアプログラムの、内容や費用についてご質問がある場合は、お問い合わせください。