腱鞘炎

腱と腱鞘

腱(けん)とは、骨と筋肉を繋ぐ結合組織。
腱鞘(けんしょう)とは、腱が通るトンネルのことを言います。

腱鞘炎


平常時は、この腱と腱鞘がすり合う部分には、潤滑液などがあり滑らかに動くようにできているのですが、使い過ぎ、関節への過負荷、ホルモンバランの変化などで、腱と腱鞘の働きがアンバランスになり炎症が生じます。

産後と腱鞘炎

産後は、使い過ぎ、関節の過負荷、ホルモンバランスの変化など、多くの要因が重なりやすい時期のため、腱鞘炎でお困りの方が多いです。
手の指・手首・肘などが腱鞘炎の起こりやすい部位ですが、そのなかでも特に多いのが、ドゥケルバン症候群と呼ばれる、親指と手首の境目、長母指外転筋腱や短母指伸筋腱と腱鞘の痛みです。

「安静にしてできるだけ使わないで」と言われても、なかなか難しい現実もあります。
日々の育児や家事に追われて、痛みをこらえながら毎日過ごされている産後のお母さんもいらっしゃることでしょう。

鍼灸でのアプローチ

当院では、痛みや炎症のある患部だけに着目するわけではなく、身体全体のバランスを考慮してアプローチをしていきます。
少しイメージしやすくお伝えすると、腕の前側に痛みや炎症があった場合は、痛み周辺のみにアプローチするのではなく、痛めている組織につながる筋肉や経絡、あるいは拮抗している腕の後面の筋肉や経絡などにも着目しながら施術していきます。
例えば、拮抗する筋肉としては、肘を曲げる「上腕二頭筋」には、肘を伸ばす「上腕三頭筋」という相反する働きをする筋肉があります。
肘を曲げにくいときは上腕二頭筋に原因を探しがちになりますが、反対側にある上腕三頭筋がトラブルの要因になっていることも少なくないのです。

今回は一例として、上腕二頭筋と、上腕三頭筋の関係性をお伝えしました。
これらの筋肉は、肘や肩の痛みのアプローチでよく使う筋肉で、手首や指の腱鞘炎にも関係してくることもあります。
しかし、すべての腱鞘炎に上腕二頭筋と上腕三頭筋が要因となる訳ではありません。
その人によって、要因となる部位は変わってきます。
当院では要因となる部位を、触診や可動域検査などを通して発見するお手伝いをさせていただき、痛みや炎症のある部位に負担の少ない効果的なアプローチをしていきます。

腱鞘炎とひとくくりにしても症状の程度は様々で、腫れはそれほどではなく動かすと痛い方もいらっしゃれば、腫れが強く動かさなくても痛みを感じる方もいらっしゃいます。
整形外科との連携も必要なケースもありますが、鍼灸でのアプローチにより痛みや可動性が緩和することもあります。
痛みをこらえて育児や家事をする前に、ぜひ一度ご相談してみてください。

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