産後の尿トラブル

実はご相談の多い産後の尿トラブル

産後の尿トラブルは、
もしかするとご相談をすることに少し抵抗のあるトラブルかもしれません。
当院でも、腰痛や手足の痛みなどが改善された時に、
勇気を出してご相談される方が時々いらっしゃいます。

産後の尿トラブルは、実際にお困りの方はとても多い印象を受けます。
そのまま悩みをひとりで抱えていたらQOL(生活の質)の低下につながるかもしれません。
そして、尿トラブルは、意外かもしれませんが鍼灸院でケアをすると改善することも可能です。

産後の尿トラブル3つの不調へアプローチします

①骨盤底筋群の弛緩
②自律神経の乱れ
③気虚(エネルギー不足)による固摂作用の低下

①骨盤底筋群

坐骨、恥骨、尾骨など骨盤の底を蓋するように付着する筋肉群の総称です。
妊娠中に腹圧がかかることや、出産時にいきむことなどの影響も重なり、産後は骨盤底筋群は弛緩傾向になり、少しのはずみで尿漏れなどを起こしやすくなります。
骨盤底筋群の弛緩が進むと、脱肛や子宮脱などのリスクもありますので、産後にはケアしておきたい部分のひとつでもあります。
当院で、骨盤底筋群のエクササイズの指導をさせていただきます。
軽度の場合は難しいエクササイズはしなくても、日常の中で、呼吸と共に肛門や膣をお腹の中へ引き込むイメージで締める、身体の軸を意識しながら散歩するなどを行っていただくことも、予防や改善に効果的です。

②自律神経の乱れ

尿を膀胱に適切な量を溜める、
尿意を感じる、
トイレまで我慢する、
排泄する、
これらは自律神経の働きが正常であれば、スムーズに行えます。

一方、自律神経が乱れていると、
膀胱に少しでも尿が溜まると尿意を感じる(頻尿)、
突然激しい尿意に襲われ我慢できない、
スッキリ出きらないで残尿感がある、
などが起こる可能性があります。
膀胱や尿道などの排泄器官やその周辺に異常が無いならば、自律神経の乱れの可能性が高いです。
自律神経を整えることで、排尿の乱れは改善しやすくなります。

③気虚(ききょ) エネルギー不足

東洋医学的視点です。
気(エネルギー)が不足した状態を東洋医学では気虚と言います。
気虚になると、【5つの気の作用】が低下します
・巡りが悪くなる(推動作用の低下)
・冷えやすくなる(温煦作用の低下)
・留めておけない、我慢できない(固摂作用の低下)
・風邪などひきやすくなる(防御作用の低下)
・尿や汗を正常に作り出せない(気化作用の低下)

産後は、気や血が大きく不足しやすいタイミングです。
エネルギーが不足しているので、
巡りの悪さ、冷え、我慢できない、適切に尿を作り出せないなど、
東洋医学の視点でも、産後は尿トラブルが起こりやすい時期なのです。
不足しているエネルギーを鍼灸や養生で補うことで、産後の尿トラブルをはじめ、様々な困り事は改善しやすくなります。

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